多様性の科学 画一的で凋落する組織、複数の視点で問題を解決する組織
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ISBN:B0957B1LD5
多様性の科学 目次
第1章画一的集団の「死角」
Ⅰ 取り返しがつかない油断が起こるとき
Ⅱ 人材の偏りが失敗を助長している
考え方や見た目が同じような人間を選ぶ傾向
1964年当時、国家評価室(CIAの一組織)の職員に黒人、ユダヤ系、あるいは専門職の女性は1人も見られず、カトリック系もごくわずかだった。(中略) 1967年には、事務員を除く約1万2000人のCIA職員の中でアフリカ系アメリカ人は20人に満たないことが明らかになった。 元CIA人事担当者によれば、1960年代のCIAは、アフリカ系アメリカ人のみならずラテン系その他のマイノリティも採用していなかったという。その傾向は1980年代に入っても続いた。(中略)また1975年まで、IC(アメリカの)インテリジェンス・コミュニティ(国内に散在する情報機関の総称)は同性愛者の採用を公式に禁じていた。 多様性の欠如は世界随一の情報機関をも弱体化させた。多様性に富んだ集団なら、アルカイダのみならず世界中の脅威に対してもっと深い洞察力を発揮できただろう。考え方の枠組みや視点の違う人々が集まれば、物事を詳細かつ包括的に判断できる大きな力が生まれる Ⅲ 多様性は激しい競争を勝ち抜くカギだ
成功について語る本が、ほとんどが個人について書いてある本
多様性とは
性別、人種、年齢、信仰など
物の見方や考え方の多様性
Ⅳ 異なる視点を持つ者を集められるか
日本人だけ、アメリカ人だけのグループに対し同じ水中のアニメーションを見せる実験
アメリカ人は主題となるものを中心に認識
日本人は、背景情報にこだわる
ただものを見るという単純な行動にさえ文化に基づく違いがあると言う事実が明らかになった
直線的な課題としては多様性はあまり必要は無い。しかし複雑な問題に対しては多様なものの見方が効果的なことが効果的になることがある
V 画一的な組織では盲点を見抜けない
史上最高の卒業スピーチの一つ
盲点は目に見えない
経済学者チャド・スパーバーの調査によれば、司法業務、保健サービス業 務、金融業務において、職員の人種的多様性が平均から1標準偏差上がっただけで、25%以上生産性が高まったという。 コンサルティング会社のマッキンゼーがドイツとイギリスの企業を対象に行った分析では、経営陣の人種および性別の多様性の豊かさが上位4分の1に入っている企業は、下位4分の1の企業に比べて自己資本利益率が66%も高い Ⅵ CIAの大きなミス
トラボラの洞窟→ムスリムにしてみたら神秘的な予言を思わせる Ⅶ 多様性が皆無だった当時のCIA
CIAは個人はとても優秀だが、組織として見たときに盲目
第2章 クローン対反逆者
Ⅰ なぜサッカー英国代表に起業家や陸軍士官が集められたのか
Ⅱ 人頭税の大失敗
https://gyazo.com/10b42d5127b7e0db6c0e6208376643ef
四角い部分:問題空間
丸:個々人
似通った認識の人たちが集まると問題の全体像を把握できない
チェック・アンド・バランス〔いわば三権分立の原理〕が保たれなかった結果 Ⅲ 町議会の盲点はこうして見抜かれた
https://gyazo.com/63dd85f169aa7c3665a237603cbe8d0f
チームで難問に取り組む場合
問題そのものをさらに精査することではない
カバーできてない範囲はどこかを探る
盲点になってる部分を考える
画一的な人選になっていないか
経済学者トップよりも上位6位までの経済学者にチームにして予測させると、トップよりも15%も精度が高かったl
V 精鋭グループをも凌いだ多様性のあるチーム
知識のクラスタリング:知識の似たもの同士が集合化する現象
能力主義のみの採用だと偏りを生じる
認知的多様性
人口統計学的多様性があると必然的に高まるが…
出身大学や知識などの背景によっても左右される
問題空間をカバーすること
多様性は高い集合知を生む要因となるが、それには根拠が必要だ。対処す る問題と密接に関連し、かつ相乗効果を生み出す視点を持った人々を見つけることがカギになる。
https://gyazo.com/6e952f4151d50ed58a39168c864b9b1d
Ⅵ 女性科学者には男性科学者が見えないものが見えた
フォーカスグループ
霊長類学の研究
1940年位まではダーウィンの仮説に基づいた白人男性による研究が盛んだった
群れのボスが、メスに対する権限を持っている説
女性研究者や日本人の研究者
メスの役割やボスだけではない群れの構成
「誰にでも自分なりの論理がある。みんなほぼ無意識にその論理にのっとって行動している。危ないのは、自分でそれに気づいていない人間だ」。
Ⅶ なぜ暗号解読に多様性が必要なのか
スタンリー・セジウィック
第3章 不均衡なコミュニケーション
Ⅰ 登山家たちを陥れた小さな罠
3つの隊による8名死亡する惨事
Ⅱ 機長に意見するより死ぬことを選んだ
https://gyazo.com/47ed61d75dcda0605687c32f031c1176
多様性があっても、権力勾配があると機能しないばかりか、意見が収斂する https://gyazo.com/1254c89ea2c5d8a47331b199036959d9
「団結力」はチームにとって重要であることは間違いないものの、それだけでは足りないという事実 複雑な状況下では、たとえどれだけ互いに献身的なチームであろうと、多様な視点や意見が押しつぶされている 限り 、あるいは重要な情報が共有されない限り、適切な意思決定はなされない Ⅳ 反逆的なアイデアが示されない会議なんて壊滅的だ
米ケロッグ経営大学院のリー・トンプソン教授
紛争解決と組織学の専門家
自己認識不足が原因
自分が違う答えを出したら「和を乱す人間だと思われたくないから」だということが明らかになっている
Ⅴ Google の失敗
https://gyazo.com/84e9ea24253c5598461e115e6b25f3ef
尊敬型の集団の場合、リーダーの寛容な態度が従属者に次々とコピーされ、集団全体が協力的な体制を築いていく。尊敬型のリーダーが知恵を共有すれば、たしかにほかの誰かが有利になることもあるが、集団全体に寛容で協力的な態度が浸透するメリットも大きい。人を助けることで、相手ばかりでなく結局自分にもプラスになるという、いわゆる「ポジティブ・サム」的な環境が強化さる。尊敬型ヒエラルキーはこうして発展してきた。 他者の反応に怯えることなく自分の意見を表明できること
チームのパフォーマンスを左右する要素の中で飛び抜けて重要
離職率が極めて低い
より収益をもたらす
「効果的に働く」とマネージャーからの評価も2倍高かった
最小30分間その日の議題をまとめた6ページのメモを黙読
パワポよりも価値がある
自分のアイデアを紙に書き出し壁に貼る
Ⅵ 無意識のうちにリーダーを決めてしまう罠
36カ国のヒマラヤ登山隊(計3万625人)による5100回以上の遠征 (すでに終了したものも含む)に関するデータを集めた。これは高高度の登山遠征を分析した最大の研究
国による文化の違いに着目
権威ある者を敬う文化圏では、従属者が意見を表明するのを控える傾向が強い。 意見に比較的寛容な文化圏
逆に進言を奨励したりする文化圏
進言が抑圧されがちな支配型ヒエラルキーを持つ文化圏のチームのほうが、死者の数が「著しく」 多かったのだ。しかしこの傾向は、単独登山者を比較した場合には見られない。 登山隊にのみ顕著な傾向だ。つまりこの研究結果は、問題が個々の登山家の能力ではなく、チーム間のコミュニケーションにあることを表している。
支配型ヒエラルキーの文化圏では、意思決定がトップダウンでなされる傾向が強い。
難易度の高い登山の場合、こうした国の登山隊では、状況の変化や差し迫る問題をリーダーに警告することが難しく、死亡者を多く出す要因となる。 進言を控えれば、序列は守れるものの、自らの命を危険にさらしてしまう。ここで重要なのは、死亡率が高まる傾向が、単独登山ではなくチームの場合にのみ現れることだ。つまり効果的なコミュニケーションが欠かせない局面に限って、支配型ヒエラルキーの文化が大惨事を招いている。
不確かな状況や自分でコントロールできない状況を嫌い、不確かな状況に出会うとある種の支配的なリーダーを支持する傾向がある 序列型の宗教
しかし不安定な時ほど、多様な意見が大事になる
第4章 イノベーション
Ⅰ 世紀の発明も偏見が邪魔をする
しかし、社長に一蹴される
人類の社会的発展の突破口となったさまざまの歴史上の出来事を定量化
すぐには発展せずに、25年もの後になってから社会の発展が見られた
およそ40%超が経営破綻
Ⅱ イノベーションには2つの種類がある
ある程度方向性が決まった中で、段階的にアイデアを深めていくタイプのイノベーション ダイソンの創業者ジェームズ・ダイソンは、試作機の改良を根気強く続けた。サイクロン円筒部の直径やその他さまざまな要素を少しずつ地道に調整しながら、ゴミと排気とを効率良く分離する方法を探求した。試作するたびに知識が増え、より効率のいいサイクロン式掃除機ができ上がっていった。 それまで関連のなかった異分野のアイデアを融合する方法 スーツケースと車輪。電動機と製造機械など
今まで過小評価されてきた
ウェブ・オブ・サイエンス上の8700誌に掲載された1790万本の論文を分析
極めて反響の大きかった論文は、どれも「標準的とは言えない組み合わせ」をしていた
漸進的イノベーション:いままでの積み重ねからのイノベーション
融合的イノベーション:関連のなかったアイデア同士を掛け合わせて、問題空間を広くカバーする手段
Ⅲ 世界的に有名な起業家たちの共通点
フォーチュン500社の43%が、移民もしくは移民の子孫によって創業あるいは共同創業されており、上位35社だけで見るとその割合は57%にまで上昇することが明らかになった ここ数十年でノーベル賞の66%がアメリカに拠点を置く研究者に授与されたが、その半数以上がアメリカ国外で生まれているという。ほかの調査では、アメリカ移民が起業家になる確率は、国内で生まれた人と比べて2倍高いという結果も出ている。アメリカ移民は同国の人口の13%だが、同国の起業家の27.5%にものぼる 2006~2012年にアメリカで創業さたIT・工学関連企業のおよそ4分の1において、共同創業者の少なくとも1人が移民
トランプのブリッジ
ルールに変更を加えると
初心者はすぐに新しいルールに対応
プロはパフォーマンスが落ちた
ミシガン州立大学のある研究チーム
ノーベル賞を受賞した科学者と、同時代のその他の科学者を比較 ノーベル賞を受賞した科学者は、その他の科学者に比べて
楽器を演奏する者が2倍多い
絵を描くか彫刻をする者は7倍
詩か戯曲か一般向けの本を書く者は12倍
アマチュア演劇かダンスかマジックをする者は22倍多い。
起業家や発明家を対象にした調査でも似たような結果が出ている。 概念的距離
ビジネスをしていると、ときおり (むしろ、たびたび) ゴールが明確に見えることがあって、そういうときは効率良く動けます。 適切な計画を立てて実行すればいい。それに比べて、寄り道は効率的ではありません。 (中略)しかしそれが決して行き当たりばったりの行動ではなく、直観や第六感や好奇心に導かれているなら、(中略) ゴールへの道を見つけるために、少しぐらい脱線をしてみる価値があります。寄り道は効率とは対極にありますが、同じくらい欠かせません。(中略)並外れて大きな発見をする「直線的」でない複雑な問題に立ち向かう ためには、寄り道が大いに必要なんです
Ⅳ そのアイデアが次のアイデアを誘発する
ポール・ローマー
アイデアはおのずと新たなアイデアを誘発する アイデアの共有を促す環境が、そうでない環境よりも生産的かつ革新的になるのはそのためだ。アイデアが共有されると、その可能性はただの足し算ではなく何倍にも膨れ上がる
知的創造力は人とのつながりの連鎖の中で強まり、そうした文化資本は世代から世代へと引き継がれていく。この構造はさまざまな国や社会で見られる。仏教の禅師の間にも、インド論理学者や日本の儒教家の間にも。(中略) 創造のエネルギーは人々のネットワークやコミュニティの中で高まる。イノベーションが同時期に数々起こる黄金 時代は、競争相手の複数のコミュニティが知的討論の場で交差し合うときに生まれる
https://gyazo.com/795aaa0a0fd5afcb14403287b2fbb697
イノベーションは従来、トーマス・カーライルが唱えたように、「偉人」ほかの人間を凌ぐ偉大な思想家や天才発明家 の知力によって、あるいはそうした一個人の超人的な努力によって生まれると考えられてきた。つまり、先達の肩を借りはするものの、みな個人の洞察力、個人の才能によって新たな未来を開いたとされてきた。しかし我々は(中略)異議を唱えたい。そうした「個人」は集団脳の産物であり、それまでつながることのなかった数々のアイデアが連鎖した結果であると
太平洋諸島のテクノロジー比較
人口密度と人々のつながり度合いと強い相関関係
女性差別がもたたしたもの
進学の機会や知へのアクセスが閉ざされる
男性の創造性も劇的に下げる
天才族:
10回に1回大きなイノベーション
1人しか共有できない
ネットワーク族:
1000回に1回しかイノベーションが起きない
100人に共有できる
結果
天才族:18%
ネットワーク族:99.9%
シリコンバレーの飲み屋やカフェに集う文化
ホームブリュー・コンピューター・クラブ
13ヶ月後にAppleⅠ
Ⅵ 社員の導線までデザインしたスティーブ・ジョブズ
トイレを1か所にする
イギリスのオリンピック・スポーツ振興機関
スポーツ界の枠を超え、学界や産業界から専門家を招集しチームを結成
『The Talent Lab: The secret to finding, creating and sustaining success (才能研究所―持続的な成功をもたらす秘訣)』著者:オーウェン・スロット 第5章 エコーチェンバー現象
Ⅰ 白人至上主義
Ⅱ 数と多様性の逆説的結果
大学の規模による社会的ネットワークの研究
規模の大きいカンザス大学の方が画一的な社会的ネットワークを構築する傾向が高かった
人は大きなコミュニティーに属すると、より小さなネットワークを構築する
異なる意見に遭遇した時により一層、自分の意見を極端に信じるようになった
Ⅲ 信頼は人を無防備にする
外側の意見を断絶
外側と触れることで、信念が揺らぐ
外側は閉ざされていない
外の意見を聞けば聞くほど自分の信念を強める
Ⅳ 極右の大いなる希望の星
Ⅴ 傷つけるべきでなかった人々
信頼の構築
Ⅵ 政治的信条の二極化はこうして起こる
「人身攻撃を受けた者は、物証を持って異論を唱えられたときと同じくらい、自身の主張に自信をなくす」。つまり論点ではなく論者を攻めても効くのだ。
第6章 平均値の落とし穴
Ⅰ 我々がダイエットの諸説に惑わされる理由
ダニエルズ中尉の測定結果では、「10カ所すべてが許容範囲に収まったパイロット」の数はゼロだった。4000人超の中で1人もいなかったのである。
https://gyazo.com/bd3c01e163ab86dce1500bd1ab2d071f
可動式のコクピット
Ⅲ 標準化を疑う眼があなたにはあるか?
人によってかなり違いがある
Ⅳ 硬直したシステムが生産性を下げ、離職率を上げる
コールセンターの従業員の離職率との相関関係を調査
自ら改善する意志の有無
初期設定に疑問を呈する能力
Ⅴ 独自の環境を作ることで才能は開花する
高い学業成績をもたらす要因
1位:豊かさ
標準化された教育からの脱却
男性優位な社会設計
平均的な脳はひとつもなかった
標準化されたオフィス
無駄を削ぎ落とされたオフィスよりも、自らの意思で整えたオフィスの方が、30%も効率的に働く
個人的な空間のカスタマイズ
V 標準を疑え! 食事療法は一人ひとりで異なっている
第7章 大局を見る
Ⅰ 個人主義を集団知に広げるために何ができるか?
Ⅱ 人類は本当に他の生物に優っているのか?
社会性が優れていた?
密な社会的集団
人間の脳の容量は、500万年の間に約350ccから1350ccまで増えた。
およそ200万年の間で増加
Ⅲ 人間が唯一優れている能力とは?
集団脳が、進化をもたらした?
Ⅳ 日常に多様性を取り込むための3つのこと
1970年代のオーケストラ
男性のみ採用された→実力による採用だと主張
カーテン越しの審査の導入で、40〜50%女性の採用が上がった
構造的なバイアス
構造的なバイアスを取り除く方法
性別など審査に関係ない項目を取り除く
陰の理事会
組織内から広く集めた有能な若手の人材が、上層部の意思決定に関し定期的に意見を述べる
与える姿勢
医学部生600人→最終年度にギバーの方が成績が良かった
V 自分とは異なる人々と接し、馴染みのない考え方や行動に触れる価値
アイデアの能力主義
Ⅵ 変われるか、CIA